アメリカ大統領選挙の投票日の11月3日まで残すところ2ヶ月程となりました。
再選を目指す与党・共和党のトランプ大統領は各種世論調査の支持率で政権奪還を狙う野党・民主党のバイデン前副大統領に優勢を許してる現状です。
アメリカという世界に最も大きな影響を与えるであろうこの選挙は、まさしく世界中が注目しています。
そして大統領選挙関連の報道の中で度々目にする
「ラストベルト」
と呼ばれる地帯が取り上げられていますよね。
この地域に対する動向が大統領選の結果を左右するとされています。
では今回はラストベルトに関連付けてアメリカ大統領選挙を見ていきましょう。
ラストベルトが大統領選で強い影響力がある理由
結論から先に言いますと
『2016年大統領選挙においてトランプ大統領は【製造業の復活】という約束を掲げた事が当選に繋がり、ラストベルト一帯におけるトランプ氏の支持率が高い』事が理由になります。
上記の結論について深く話していくためにラストベルトとはどのようなものなのかを説明しますね。
ラストベルトとは?
ラストベルトは日本語で錆びた地帯を意味しています。
詳細な場所はボスウィッシュ回廊と呼ばれる一帯の西から、西方にウィスコンシン州東部までと定義できるとされています。
アメリカ経済の重工業と製造業の重要な部分を担っていますが、この地域の多くの都市で製造業の外部委託化が進んだ事が不景気に繋がり、地域そのものが新たな分野への進出を余儀なくされました。
ラストベルトの歴史の推移
このラストベルトと呼ばれる地域一帯は元々、場所ゆえにアメリカの製造業と重工業の中心とされていた。
重要な資源である石炭はこの地帯周辺の州(現在のアパラチア山脈を構成する州を含む州)から産出されました。
また19世紀には国外からの移民で爆発的な人口増加を果たしましたし、五大湖の水運も使いやすいという利点も挙げられます。
更にこの地域は合衆国で最初に鉄道が敷設された地域の一つということもあり、主要工業地帯と呼ばれることとなりました。
ですが1970~1971年の不況に始まり、合衆国内の製造業の数が減り始めました。
また、この頃から国内の仕事は徐々にサービス産業に重きを置くようになり、新たな分野の製造業が頭角を現し始めました。
アメリカの製造業の雇用数が減少したことにより、北西部、中西部の工場の廃棄に繋がり、ラストベルトという別名がこの一帯に名付けられた。
4年前の大統領選でトランプ大統領は【製造業の復活】を果たしアメリカの景気を回復させる目的がありました。
これがラストベルト一帯の支持を勝ち取ることとなり、当選を決定づけました。
以上から『地域一帯の支持を味方につけることが出来るかが大統領選の命運を分ける』ということがわかるかと思います。
ラストベルトがトランプ逆転の鍵に?

現在、ラストベルトでは世界情勢に影響を受け、トランプ大統領及び共和党と激しく対立していることが、バイデン氏の評価につながり白人の労働者層の一部ではトランプ大統領離れに繋がっているとされています。
ラストベルト選挙情勢を研究するトーマス・ホルブルック教授は
「世界及びアメリカ合衆国のその後の情勢の変化や、有権者が国の針路に期待を抱いたりすれば、トランプ大統領の再選に向けた助けになる」
としており、その上で「情勢は簡単に変化する」と述べています。
トランプ大統領がラストベルトの支持をもう一度集め、再選するという可能性もゼロではないことがわかります。
ラストベルトと大統領選のまとめ
2016年大統領選ではトランプ大統領の心強い味方であったラストベルトが、2020年大統領選では対抗勢力であるバイデン氏の心強い味方となりつつあります。
ラストベルトの労働者層の動向に目を向けると、アメリカ大統領選の行く末を見据えることができるかもしれませんね。
変わらず忙しい日々が続き、激しい気候の変動により様々な不安を抱えている方も多いかと思います。
その不安を抱えて激動の日々を過ごすのは大変かと思いますが、こんな時だからこそ時間を大切に過ごしていきましょう。
今回の記事も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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