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カーフキックとは何?スダリオや堀口恭司が試合を決めた必殺の一撃を調査

カーフキックとは何?スダリオや堀口恭司が試合を決めた必殺の一撃を調査
カーフキックと言う、今まであまり耳にしなかったキックが2020年の大晦日に行われた日本の総合格闘技団体主催のRIZIN必殺の一撃とも表現出来る破壊力で話題になりました。

 

カーフキックのカーフと英語でCalfというふくらはぎを指す言葉で、直訳するとふくらはぎ蹴りとでも言えます。

 

このふくらはぎを狙って蹴るカーフキックローキックとは蹴る部分は似ていますが考え方は大きく異なっていて、近代格闘技ではどんどん取り入れている選手が増えているので、今後更に見かける機会は多くなるはずです。

 

今回の記事では、今日(2020年12月31日)のRIZINで注目を集めた試合の鍵を握ったカーフキックとはどのようなものなのかをまとめました。




カーフキックとは何?ローキックとの違いは?

カーフキックとは何?スダリオや堀口恭司が試合を決めた必殺の一撃を調査1
上記のイメージ画像はまさにローキックなのですが、カーフキックただの下段蹴りとは異なります

 

ローキックは相手の脛(すね)の部分を蹴ることを一般的に言いますが、カーフキックは対戦相手のふくらはぎの部分を狙って蹴る技術です。

 

なぜカーフキックが最近流行りだしたのかと言うと、近代の格闘技の採点では蹴りよりもパンチの方が判定基準が高く、よほど目に見えたダーメージを相手に与えない限り評価されない蹴りよりもパンチの重要性が高まってます

 

そのため、ミドルキックを使う選手は減り、蹴りを使う選手が減ったということは、蹴りに対するディフェンスに割く意識や練習量は減って、パンチの技術が向上しているようです。

 

なので、ミドルキックを受けたら、同じ蹴りで返すよりも、手で受けてパンチで返す方が判定基準を考えると勝ちに繋がりますし、ミドルキックなどは対戦相手に掴まれやすいので多様する選手も減ったそうです。

 

そして、ローキックも数年前はカットという下段蹴りに対する独特なディフェンスが主流でしたが、今はローキックに対して打たれてもカットせずにパンチで返す選手が増えています。

ローキックをガードしない流れで生まれたカーフキック

カーフキックとは何?スダリオや堀口恭司が試合を決めた必殺の一撃を調査2
ローキックに対するカットを疎かにして、パンチによる反撃に転じる戦術が一般化している近代格闘技の中で、カットされないのであればテイクダウンされるリスクを極力抑えた場所を蹴ろうという考えの元生まれたのがカーフキックです。

 

そして、カーフキックを受けた選手はどんなに闘争心が強く、尋常じゃない練習量を誇る天才ですら、片足を引きずる程の威力を受けて、戦意を大きく削られる威力を誇ります。

 

なぜ、それほどまでにカーフキックが効くのか?

 

それは、

 

脛の外側の筋肉の薄い部分を蹴るからです。

 

鍛え抜かれた選手と言えども、めちゃくちゃ効くと言われていますし、先日の大晦日で見た、スダリオ剛選手によるカーフキックを受けた超人ミノワマンさんが立つことすら出来ずに、倒れた状態で決定だとなる追撃によってTKO負けをしていました。

 

さらにRIZINのメインイベントとなった堀口恭司さん対朝倉海さんの試合でも、堀口恭司さんのカーフキックを食らった朝倉海さんは、露骨にもう喰らいたくないという及び腰になり、そこを突かれて敗北したことも記憶に新しいでしょう。

 

ミノワマンさんも、朝倉海さんも伝説的なベテランと、今の格闘技界の先頭を走る本物の実力者であることは間違いないのに、そんな格闘技界のトップクラスを屠るカーフキックは本当にヤバいのです。

カーフキックというスダリオの必殺の一撃!


カーフキックの恐ろしき破壊力は上記でもお伝えしましたが、ローキックを放つ際には、すねの内側には脛骨(けいこつ)というかなり頑丈な骨があり、蹴る側も自分の足を痛めるリスクがあるため、なかなか全力で蹴ることに躊躇(ちゅうちょ)する選手は多いそうです。

 

よくムエタイの選手が頻繁にローキックを多様していますが、あれは足へのダメージを狙ったものではなく、対戦相手のバランスを崩す足払いのような技術であると青木真也さんの有料Notesに書いてありました。

 

つまりローキックを頻繁に使うプロのムエタイ選手でも自分の選手生命を考えると、相手の内側から脛(すね)を蹴ることがどれだけ怖いのかがわかると思います。

 

スダリオ剛選手はミノワマンさんに対して、体格的に30キロ以上のアドバンテージを持っているため、特に技術的な部分で勝負せずとも良い勝負が出来ると思っていたのですが、まさか勝負の決めては高い技術力に裏打ちされたカーフキックだったことに驚きました。

ミノワマンさんは過去の実績を見ると、自分よりも遥かに体格の大きな相手(チェホンマンやボブサップ)に善戦を重ねたり勝利をおさめています。

 

なので、スダリオ剛選手のセンスを持ってしても熟練した技術を持つミノワマンさんに敗れる可能性も僕は予想していたのですが、スダリオ剛選手の技術は本物でした。

 

上記の動画の動画では3分9秒でスダリオ剛さんの放ったカーフキックが勝負を決めたと言っても過言ではないでしょう。

 

このダメージの蓄積は凄まじく、超人と呼ばれるミノワマンさんのファイティングスピリッツに大きな亀裂が入ったことは間違いありませんでした。

 

次の4分51秒のシーンでは、スダリオ選手のローキックの軌道のカーフキックがミノワマンさんの左足に「ペチッ!」と当たった瞬間にミノワマンさんは倒れて、追撃を受けて敗北しました。

 

正直、

 

あの程度の蹴りで倒れちゃうの!?

 

と思い何度もその試合を見ましたが、実際のところ最初のスダリオ剛さんのカーフキックを受けたミノワマンさんの左足は変色していて、むしろ2発目のカーフキックを食らうまで試合を続けていた精神力の方が凄まじく、2発目の軽いカーフキックで肉体の限界を迎えてしまったと思われます。

 

この試合からはスダリオ剛さんのフィジカルによる強さ以上に、卓越した技術によるカーフキックの恐ろしさと、その威力を受けつつも試合を続けていたミノワマンさんの精神力の強さに驚かされました。

カーフキックで堀口恭司が試合を決めて更に注目が!


カーフキックの知名度を一夜にして広めたのは昨日のRIZINのメインイベントである、王者朝倉海選手と挑戦者である堀口恭司選手との一戦であることは間違いないでしょう。

 

今や総合格闘技界の顔としての確かな実績とカリスマ性を持つ朝倉海選手は、人気ユーチューバーの朝倉未来選手の弟としても知名度が高く、実力や影響力など凄まじい人物です。

 

それに対する、堀口恭司選手も凄まじい経歴を持つ総合格闘技界の雄です。

 

この二人の戦いはどのような決着が待っているのかと多くの格闘技ファンは固唾を飲んで見守りましたが、その試合結果を決定づけたのが、またもやカーフキックでした。

 

朝倉海選手と堀口恭司選手の試合でも頻繁に使用されたカーフキック

 

ローキックに比べると、クリティカルヒットした時の効果の早さが尋常ではありません

 

堀口恭司選手のカーフキックを食らった朝倉海さんの足は一瞬で変色してしまう威力ですから、脅威以外のなにものでもありません。

 

ふくらはぎの内出血によるダーメージは朝倉海選手のフットーワークも封じる結果となり、最後は一方的な試合運びになってしまいましたね。

 

このカーフキックはたしか朝倉未来選手も得意技の1つとして高い完成度で使用していたので、朝倉海選手は兄の朝倉未来選手からカーフキックの対策をしておけば試合の結果はまた変わっていたかもしれません。

カーフキックとな何かのまとめ


もはや格闘技界のビックトレンドになりつつある「カーフキック」ですが、使用する際のリスクが一切ない無敵な技では決してありません

 

もともと脛の外側には骨が無い上に筋肉も少ないという人体の構造を理解して、その知識を実践などによる経験値と組み合わせて初めて使用できるカーフキック

 

ムエタイですら、脛を蹴る概念は乏しく、ローキックと言えばムエタイと連想する方もいらっしゃるかもしれませんが、本場のタイのムエタイですらローキックは試合の判定で大きな評価されにくいそうです。

 

なので、ローキックに似ているカーフキックは今までは使う選手も少なく、それゆえに対策を練る必要性もありませんでしたが、昨日のRIZINによって今後カーフキック対策はどんどん洗練されていくでしょう。

 

するとカーフキックに対するリスクの大きさにも注目が集まるはずです。

 

カーフキックのリスクとは一体なんなのか?


それは、カーフキックを使用する選手も痛いということです。

 

今はまだカーフキック対策をする選手が少ないため、面白いようにカーフキックによるリターンを得た選手が大会で結果を出しました。

 

しかし、もしも相手がカーフキック対策をしてディフェンスを固めると、カーフキックをした選手が大きなダメージを受けます

 

最悪、一瞬で相手のふくらはぎに広範囲の内出血を起こしてフットーワークを封じるカーフキックが、放った本人の足の骨が折れるリスクもあるそうです。

 

なので、テレビで見ている僕らには理解出来ないリスクですが、カーフキックを放つ側にも痛さを覚悟して蹴っているという驚きの技でした。

 

今後の格闘技のビックトレンドになりつつあるカーフキックですが、選手の怪我の増加に大きな影響を与えないことを願います。

今回の記事も最後まで読んでくださってありがとうございました。