社民党の分裂が決定的となり、党の存続が危ぶまれています。
すでに党首の福島瑞穂氏以外の3名の議員が離党する決意を示しています。
意外だったのが離党する3名のうちの1人、照屋寛徳(てるやかんとく)氏です。
社民党議員として長年活動してきた彼こそ党に対する思いも強いゆえに、離党する決断には意外性を覚えるほどでした。
11/14の臨時党大会での党首福島氏に全ての責任をなすりつけるような暴言には、
「あなたが言うか」
という声も多くあります。
そんな照屋寛徳氏について、今回は社民党を離党した理由と党首福島瑞穂への暴言の意図を調査しました。
照屋寛徳が社民党を離党した理由!
深刻な党勢低迷が進み、社民党議員4名のうち3名は離党。
政党を存続する条件である衆参議員が5名以上、もしくは選挙で2%以上の得票はすでにどちらも望みがなく絶望的です。
社民党の残された道は、
- 解党して立憲民主党(立民)と合流するか
- 社民党議員として最後まで責務を全うするか
の2択しかありません。
臨時党大会での暴言で注目を集めた照屋寛徳氏も社民党から離党する議員の1人です。
故郷の沖縄県を中心に普天間基地移設をめぐる問題では反対を訴えてきた人物で、沖縄県民からは絶大な信頼を得ていました。
その絶大な信頼があっただけに、照屋氏の離党にはがっかりした人もいるでしょうね。
ですが照屋氏が離党する選択をしたのはその故郷である沖縄のためでもあります。
照屋氏は立民と合流することに賛成しました。
そこには沖縄が抱える問題と関係があります。
今尚続く米軍基地移設問題に積極的に取り組んでいるのが社民党県連です。
社民党支持者が多い沖縄では社民党の機能が失うのは痛いところ、そこに立民との合流は渡りに船でした。
元々立民とは普天間基地移設への反対や日米地位協定の改定など考えが一致しており、社民党県連と立民党首の枝野幸男氏は親交があります。
照屋氏からすれば立民と合流しない手はありませんよね。
照屋寛徳氏自身も、立民で残りの議員人生を過ごす道も出来ました。
また照屋氏の離党する理由はもう一つに、社民党党首の福島瑞穂氏との関係性にあるのかもしれません。
照屋寛徳が社民党党首の福島瑞穂への暴言の意図
照屋寛徳の件だが、出ていくほうがあんなに偉そうなのは一体何なのだろうか。残る仲間たちに励ましの言葉をかけて円満に離党することはできないのか。非常に残念だ。行き先の立憲民主党で社民党からの合流組が優遇されるとは到底思えず、彼らはさらに不満を募らせることになるだろうと私は予想する。
— 藤原 潤 (@lojun1970) November 15, 2020
11/14に開かれた社民党臨時党大会では照屋氏による党首福島氏への痛烈批判が注目を浴びました。
臨時党大会で照屋氏は福島氏に
「先輩方が築いた遺産をすべて食いつぶした」
「社会民主主義や社民党宣言を語る資格はない」
「上辺はいいが、秘めたる根性は最悪 」
などと、手厳しいの一言では済まされないような長年積もらせた不満をぶちまけています。
批判というよりほぼ暴言に近い発言、照屋氏の内に秘めていた怒りが窺えました。
正直、ここまで思うなら、もっと早く党首である福島瑞穂氏に伝えるべきだったのではないかな?
と思うところがありますが、社民党を離党するにあたり、立つ鳥として水面を激しく濁して飛び去っていったような印象を様々な関係者に与えたのではないでしょうか。
照屋寛徳の社民党党首としての福島瑞穂に対する怒りの理由
照屋寛徳氏は2003年から2017年の計6回衆議院選挙区で勝利しているのに対し、福島氏は今まで参議院比例代表という知名度があれば簡単に当選できる方法に固執しています。
人脈作りや選挙活動で苦労を経験した照屋氏にして見れば、楽して議員の座に居座っている福島氏を許せなかったのでしょうね。
また照屋氏は
「衆議院に鞍替えして立候補しなさいよ」
とも語っています。
福島氏自身の力で選挙を勝ち上がって来い!
とも取れますが、福島氏が鞍替えをすれば比例代表の席を一つ空けることが出来たのに…。という思いもあったのでしょう。
照屋寛徳にも社民党の衰退の責任は伺える一面も
照屋寛徳が「議席にしがみつくだけの人」とか「ジジイ」とか言われる時代かー pic.twitter.com/8bwDmwjH7j
— ウヨロイド (@MrUTHUroid) November 16, 2020
まるで社民党がここまで衰退したのは党首福島氏に全て責任があるように話していましたが、それについては疑問が残ります。
確かに福島氏が党首に選ばれてから辞めていく議員も多く、党首として目立った政策活動もありませんでした。
それよりか議員として品位を疑うような発言や行動で国民からの信頼が落ちていたのは否めません。
ただ福島氏を党首の座に長年居座らせたのはほかでもない照屋氏を含む社民党議員です。
照屋氏本人が党首に代わるでもなく、社民党が解党にまで追い込まれるまで声を挙げず行動を起こさなかったのも疑いようのない事実です。
そして今回の臨時党大会の会場を拝見した中で社民党の高齢化が深刻に進んでいることも窺え、党が衰退するのも起こるべくして起こったものでしょう。
照屋氏が述べた内容はほぼ正論のように見えますが、
「先輩方が築いた遺産をすべて食いつぶした」
という発言についてはどっちもどっちと言わざるを得ません。
照屋寛徳が社民党を離党した理由のまとめ
社民党が事実上の分裂を受け、臨時党大会での照屋寛徳(てるやかんとく)氏の発言が注目されました。
照屋氏自身も離党する構えで、そこには故郷の沖縄が抱える問題が背景にあるのではと推察されます。
照屋氏としては普天間基地移設への反対など同じ志を持つ立民と合流するのが沖縄のためでもあり、また自身も立民として議員に残れるまさに一石二鳥です。
臨時党大会では党首福島瑞穂氏に対し、ほぼ暴言とも取れるきつい発言が向けられました。
選挙区でずっと戦ってきた苦労人の照屋氏からすれば、安全地帯の比例代表で選ばれ続ける福島氏のことが許せなかったのかもしれません。
社民党がここまで落ち込んだのは福島氏に全責任があるといった内容でしたが、その責任の一端は全ての社民党議員にもあるのではないでしょうか。
離党する最後の最後で照屋氏の発言には些か残念でもあります。
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